この記事を書いた人
タムラ
刺しゅうビジネスアカデミーの代表を務めています。
得意のAI×SNSマーケティングを掛け合わせながら、これまで日本になかった刺繍のスタイルを目指して、刺繍屋を営んでいます。
私自身もド素人からのスタートで、丸1年間真剣に刺繍と向き合ってきました。慣れないうちは、高速で動く針で自分の指を刺してしまうこともありました(笑)
だからこそ、これから挑戦したいと思っている初心者の方の気持ちが、痛いほどよくわかります。そんな方でも、刺繍ビジネスを通してお客様をハッピーにできる仕事に出会えるということを、これからも発信していきたいと思っています。
実際の販売実績(一部)
同じ作品でも、隣のブースの売上が3倍違う現実

マルシェやポップアップイベントに出た作家さんから、よくこんな話を聞きます。
「隣のブースはずっとお客さんが来ているのに、自分のところは素通りされ続けた」。
作品の質が劣っているわけではない。
むしろ、腕前で言えば自分の方が上かもしれない。
それでも売上に2〜3倍の差がつく。
これはマルシェあるあるです。
いくつも事業を見てきた感覚で言うと、この差の原因はほぼ決まっています。
「作品の良し悪し」ではなく、「売り場の設計」の問題です。
この記事では、売れているブースと売れていないブースを分ける要素を、できるだけ具体的に整理していきます。
タムラひと目でわかる「売れるブース」の数字感覚
マルシェ出店の数字感覚(目安)
まず、マルシェ出店に関わる数字の目安を整理しておきます。
初期の出店費用や、売れているブースの売上感覚を把握しておくだけで、準備の方向性がぐっと変わります。
売れるブースに共通する「3つの設計」とは
売れているブースには、必ずと言っていいほど共通点があります。
「センスがいい」という話ではなく、もっと構造的な話です。
この3つが揃っているブースは、通行量が少ないイベントでも安定して売れる傾向があります。
「売れない日」に共通していた5つのパターン


売れないブースには、共通した「やってしまいがち」な失敗があります。
作品の質ではなく、売り場の設計が原因であることがほとんどです。



1日の売上シミュレーション|条件でここまで変わる
1日の売上目安(条件別・目安)
「マルシェで一日いくら売れるか」は、ブースの設計と商品構成で大きく変わります。
以下は、同じ規模のイベントに出た場合の目安です。
「価格が高すぎる」より怖い、価格設計のミス
マルシェで売れない理由として「価格が高いから」と思っている人が多いですが、実はそれは半分しか正しくないです。
本当の問題は、価格帯のバランスが崩れていること。
高単価の作品だけを並べると、お客さんは「いい物だな」とは思っても、買う決断ができません。
一方、安い物ばかりだと「刺繍ってこんなもんか」と思われて、作品の価値が下がります。
理想は、「入口商品」「主力商品」「一点もの」の3段構成です。
入口商品で立ち止まらせ、主力商品で売上を作り、一点ものでブランドの格を上げる。
この設計が出来ているかどうかが、売上の差に直結します。
価格設定のミスが招く具体的な落とし穴については、こちらの記事で詳しく解説しています。
マルシェ出店者のリアルな声
一般的な傾向をもとに構成した声です。
実在の個人の発言ではありません。
最初の頃は作品を全部並べればいいと思っていました。でも売れなくて。思い切ってペット刺繍に絞ったら、お客さんが足を止めてくれる時間が明らかに変わりました。「テーマを絞る」のはもったいない気がしたけど、逆に強みになった感覚があります。
初回出店で出店費用が回収できず落ち込みました。後から気づいたのは、価格帯が3,000円〜8,000円に偏っていたこと。1,000円のキーホルダーを追加してから、まず手に取ってもらえる率が上がって、そこから高い物も見てもらえるようになりました。
SNSへの誘導を始めてから、マルシェ当日の売上より「後日注文」の方が多くなってきました。その場で買わなかった人が後でDMをくれる。マルシェは集客の場と割り切ってから、気持ちが楽になりました。
※特定個人の発言ではなく、編集部が一般的な傾向をもとに構成した内容です。
ニッチに絞ると、なぜ売れやすくなるのか
マルシェで安定して売れている作家さんに共通しているのが、「ターゲットの絞り込み」です。
「刺繍作家」より「ペット刺繍専門」、「ペット刺繍」より「犬・猫の顔をリアルに刺繍するオーダー専門」の方が、お客さんに刺さりやすいです。
「絞ると客が減る」と感じるかもしれませんが、実際には逆です。
ピンポイントで「まさに自分が欲しかった物だ」と感じた人の購買率は、漠然と「いい作品だな」と思った人より格段に高い。
ニッチな絞り込みをどう設計するかについては、刺繍ビジネスのニッチ戦略の記事で具体的な考え方を整理しています。



マルシェ出店を「次につなげる」仕組みを持っているかどうか
売れる作家と売れない作家の差で、意外と見落とされているのが「当日の外」の設計です。
マルシェはあくまで接点を作る場所。
その日の売上だけを目的にすると、出店コストが重くなります。
「当日は買わなかったけど、後でオーダーしたい」という人を逃さない仕組みが、継続的な収益につながります。
具体的には以下の3点です。
- ショップカード: SNSやECサイトのQRコードを載せたカードをブースに置く
- InstagramやXのフォロー誘導: 「次の出店情報はSNSで」と声がけする
- メーリングリスト・LINE登録: 常連になりそうなお客さんに連絡先を渡す手段を持つ
SNSを使った集客の現実については、こちらの記事も参考になります。
こんな人はマルシェ向き、こんな人は注意が必要
マルシェ出店は全員に向いているわけではありません。
正直に言います。
特に気をつけてほしいのが、「当日の売上でコストを回収する」という発想です。
出店費・交通費・材料費・準備時間を計算すると、1日あたり2〜5万円程度のコストがかかっていることは珍しくありません。
それを当日の売上だけで賄おうとすると、価格設定が狂います。
マルシェは「ブランドの露出と関係構築」の場と位置づけた上で、ECや受注制作と組み合わせて使うのが、長く続けるためのリアルな設計です。
初めてマルシェに出るなら、この順番で準備する
初出店までの準備ステップ
STEP1 出品テーマを1つに絞る
「何でもある」ではなく「これが得意」と言えるテーマに絞る。ペット・文字入れ・花など1ジャンルから始める
STEP2 価格帯を3段階に設計する
入口商品(1,000〜2,000円)・主力商品(3,000〜6,000円)・一点もの(8,000円〜)の3段構成を用意する
STEP3 ブースの「見せ方」を設計する
高低差をつける什器を準備し、通路から3メートル離れた位置でブースを確認する。何屋か一瞬でわかるか?
STEP4 次につながる導線を作る
ショップカード・QRコード・SNSのフォロー誘導を用意し、当日買わなかった人も逃さない仕組みを作る
準備の順番を間違えると、当日に慌てることになります。
以下のステップを参考にしてください。
よくある質問
マルシェ出店について、よく寄せられる質問をまとめました。
マルシェ出店の費用はどのくらいかかりますか?
出店費は規模やイベントによって異なりますが、一般的には3,000円〜3万円程度が目安です。これに交通費・梱包材・什器の準備費用などを加えると、初回は5〜15万円程度かかることもあります。
刺繍ビジネス初心者でもマルシェに出ていいですか?
出品点数が少なくても出店自体は可能ですが、価格帯が偏っていたり商品が2〜3点しかなかったりすると集客が難しいです。まずはオンライン販売で商品構成を試してから出店するのが安全です。
マルシェとECは両方やった方がいいですか?
組み合わせるのがベストです。マルシェで実際に会って信頼を作り、ECで遠方のお客さんや後日購入を受け付ける。この二段構えが、売上の安定につながります。
1日の売上の目安を教えてください。
準備が整ったブースで、規模が大きめのイベントであれば1日3〜10万円は現実的な数字です。ただし初回出店でこの水準に達することは少なく、2〜3回出店してブースの設計を改善しながら数字が上がっていくケースが多いです。
まとめ|マルシェで「選ばれる側」に回るために


売れるブースと売れないブースの差は、作品の腕前ではありません。
「何を売っているかがパッと伝わるか」「価格帯のバランスが取れているか」「当日以外の接点を作っているか」。
この3点が揃っているかどうかです。
正直なところ、マルシェだけで継続的な収益を上げようとするのは、かなりハードルが高いです。
出店コストと体力の消耗を考えると、ECや受注制作と組み合わせた設計でないと長続きしません。
マルシェは「認知を広げる場」として使い、そこで出会ったお客さんをオンラインへ誘導する流れを作ること。
それができている人が、半年・1年と続けて売上を育てていける人です。
具体的なブース設計の考え方や、マルシェとECを組み合わせた収益モデルの詳細については、公式LINEで随時情報をお届けしています。
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マルシェと並行して活用できる販売プラットフォームの比較は、こちらの記事で詳しくまとめています。











