この記事を書いた人
タムラ
刺しゅうビジネスアカデミーの代表を務めています。
得意のAI×SNSマーケティングを掛け合わせながら、これまで日本になかった刺繍のスタイルを目指して、刺繍屋を営んでいます。
私自身もド素人からのスタートで、丸1年間真剣に刺繍と向き合ってきました。慣れないうちは、高速で動く針で自分の指を刺してしまうこともありました(笑)
だからこそ、これから挑戦したいと思っている初心者の方の気持ちが、痛いほどよくわかります。そんな方でも、刺繍ビジネスを通してお客様をハッピーにできる仕事に出会えるということを、これからも発信していきたいと思っています。
実際の販売実績(一部)
「刺繍で稼げない」人の9割が、同じ失敗をしている

minne・Creemaに出品している刺繍作家の数は、2026年時点で数万人規模に達しています。
それなのに、継続的に月10万円以上を稼いでいる人は、肌感覚でいうと全体の1割にも満たないと思っています。
この差を生んでいる原因は、技術でも機材でもありません。
「誰にでも売れそうなもの」を作って、「誰でも出品しているプラットフォーム」に並べている。
それだけです。
稼げている人が共通してやっていることは、市場を絞ること。
いわゆる「ニッチ戦略」です。
自分でペット・メモリアル刺繍のEC事業を立ち上げた経験から言うと、「誰向けか」を絞った瞬間に、問い合わせの質も成約率もまったく変わりました。
これは、事業の規模に関係なく起きることです。
タムラひと目でわかる|ニッチ戦略の効果と市場感
ニッチ戦略を取り入れた場合の目安
ニッチ戦略の有効性を、数字で整理しておきます。
「絞り込んでいない作家」と「ターゲットを絞った作家」では、同じ技術・同じ投資額でも、結果がまったく違います。
なぜ「絞る」と売れるのか|ニッチ戦略が機能する理由
刺繍マーケットは「作り手過多・買い手不足」の構造です。
プラットフォームに並ぶ商品数が多いほど、検索で埋もれる。
結果、価格競争に引き込まれる。
これが「稼げない刺繍作家」の典型パターンです。
ニッチ戦略が機能する理由は、シンプルに3つあります。
いくつも事業を見てきた感覚で言うと、「広く浅く」で勝てるのは資本力がある会社だけです。
個人・小規模事業者こそ、ニッチに絞ることで大手が入ってこない領域を作れます。
刺繍で単価が上がる理由についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
稼げる人が実際に絞り込んでいるニッチ市場10例


「どこに絞ればいいかわからない」という声をよく聞きます。
具体例を見た方が早いので、実際に需要があり、かつ競合が少ないニッチジャンルを整理しました。
このうち自分が実際にやっていたペット・メモリアル刺繍は、単価が平均的な刺繍商品の3〜5倍でも「高い」と言われることがほぼありませんでした。
刺繍ワッペン販売の需要については、Etsy・minneのデータをもとに解説した記事もあります。



「ニッチを選ぶ」ための判断軸|4つのチェックポイント
ニッチならどこでもいい、というわけではありません。
絞り込む前に、以下の4点を必ず確認してください。
この4つを全部クリアするニッチは正直そう多くありませんが、2〜3つクリアしているだけでも、絞らないより圧倒的に有利です。
単価設定の考え方については、価格設定ミスの落とし穴を解説した記事が参考になります。



ニッチ戦略で陥りがちな「絞りすぎ」の罠
ニッチに絞ることは正解ですが、「絞りすぎ」には注意が必要です。
市場が小さすぎると、そもそも売れる上限が低くなります。
- 月に10件も注文が来ないほどマイナーなジャンルは、どれだけ努力しても月商の天井が低い
- 検索ボリューム自体がゼロに近い場合、SEOもSNSも効果が出にくい
- 「趣味の延長」で選んだニッチが、実は需要がなかったというケースは珍しくない
- 競合ゼロ=市場ゼロ、という可能性も常に疑う必要がある
「誰もやっていない=ブルーオーシャン」ではなく、「誰もやっていない=需要がない」こともあります。
競合が少ないことと、需要があることは別の話です。
この区別を間違えると、どれだけ丁寧な刺繍を作っても売れません。
ニッチを決めた後にやること|「見つけてもらう」仕組みづくり


ニッチを決めただけでは売れません。
「見つけてもらう」設計が必要です。
ニッチを絞った後にやるべきことは、大きく3つです。
- プロフィール・ショップ名・タグをそのニッチに特化した言葉に統一する(「刺繍作家」ではなく「ペット似顔絵刺繍専門」のように)
- Instagramのハッシュタグ・Etsyのタグを、ニッチに沿ったロングテールキーワード(「ペット 刺繍 オーダー」「犬 似顔絵 ギフト」など)に絞る
- 「この人に頼めばいい」という認知を作るため、同じジャンルの作品を継続的に発信し続ける
越境ECを10年以上やってきた経験で言うと、ターゲットを絞ることと、そのターゲットに向けた言葉・タグ・見せ方を合わせることは、セットでないと効果が出ません。
絞ったのに言葉が曖昧なままでは、見つけてもらえません。
SNS集客の現実については、Instagram活用を掘り下げた記事も参考にしてみてください。
販売プラットフォームの選び方については、minne・Creema・Etsy・BASEを比較した記事で詳しく解説しています。
ニッチ戦略を実践した人の声
一般的な傾向をもとに構成した声です。
特定の個人の発言ではありませんが、よくあるパターンを整理しています。
最初は「刺繍なんでも受けます」でやっていて、1年間ほぼ売れませんでした。「子ども名前刺繍専門」に絞ってから3ヶ月で月5万円を超えました。絞ることがこんなに効くとは思っていなかったです。
「競合が少ない」と思ってかなりマイナーなジャンルに絞ったら、そもそも検索する人がいなくて全然売れませんでした。需要があるかどうかの確認を先にするべきでした。
Etsyで「日本の伝統模様 刺繍」に絞ったところ、海外からの注文が月に20件以上来るようになりました。国内では地味に見えるデザインが、海外では珍しいと評価されるんですね。
※特定個人の発言ではなく、編集部が一般的な傾向をもとに構成した内容です。
こんな人はニッチ戦略がハマる、こんな人は注意が必要
ニッチ戦略は万能ではありません。
向き・不向きがあります。
「絞ることが怖い」という気持ちはよくわかります。
ただ、絞らないと誰にも刺さらない。
個人で戦うなら、ニッチを選ぶことは必須の考え方です。
刺繍ビジネスを始める前の全体像は、こちらの記事でまとめて確認できます。
ニッチを見つけて動き出すためのステップ
ニッチ戦略 実践ステップ
STEP1 市場調査
minne・Etsy・メルカリでジャンル別の売れ筋と出品数を確認する。レビュー数が多い=需要あり
STEP2 ニッチ候補を3つ選ぶ
「需要あり×競合少なめ×単価が上げられる」3つの条件で候補を絞り込む
STEP3 試作品で反応を見る
小ロットで出品・発信し、問い合わせやいいねの反応を確認してからジャンルを確定させる
STEP4 言葉・プロフィールを統一
ショップ名・タグ・SNSのプロフィールをニッチに合わせた言葉に統一して認知を積み上げる
考えすぎて動けない人も多いので、最初の動き方を整理しておきます。
よくある質問
ニッチ戦略についてよく聞かれることをまとめました。
ニッチに絞ると、注文が少なくなりませんか?
短期的には注文数が減ることもありますが、「この人に頼もう」というリピーターが生まれやすくなります。絞ることで1件あたりの単価が上がる場合も多く、件数が減っても売上が増えるケースは珍しくありません。
ニッチを間違えた場合、途中で変えてもいいですか?
もちろん変えてOKです。ただし、発信の一貫性が崩れると認知がリセットされやすいため、変えるときは3ヶ月程度の試行期間をおいて「売れなかった」と確認してから判断することをおすすめします。
好きなジャンルと売れるジャンルが違う場合、どうすればいいですか?
売れるジャンルを本業にして、好きなジャンルは副業的に続けるという分け方が現実的です。好きなジャンルが「売れる」かどうかは、まず出品して反応を確認してみることが一番の答えになります。
副業でやる場合でもニッチ戦略は必要ですか?
むしろ副業こそニッチ戦略が重要です。使える時間が限られているので、広く浅く対応しようとすると中途半端になります。ターゲットを絞ることで少ない作業量で最大の成果を出しやすくなります。
まとめ|絞ることが、個人で稼ぐ最短ルートです


刺繍ビジネスで稼げない人の多くは、「幅広く対応しようとして、誰にも刺さらない」という状態に陥っています。
ニッチ戦略は、特別なスキルや設備が必要なわけではありません。
「誰に、何を届けるか」を決めるだけです。
ただ、どのニッチを選ぶか・どう見つけてもらう仕組みを作るか・単価をどう設定するかは、選択を間違えると努力が空振りになります。
刺繍ビジネス全体でどんな可能性があるかを改めて確認したい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。
ニッチの選び方・市場調査の具体的なやり方・価格設定の根拠づくりなど、ここから先の「実際の進め方」については、LINE登録をいただいた方に向けてより詳しくお伝えしています。
一人で試行錯誤する前に、ぜひ一度覗いてみてください。


